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朝夕の気温が一気に下がり、気づけばすっかり冬本番!今回はそんな季節に旬を迎える冬野菜に注目します。代表的な冬野菜の栄養素や選び方、保存方法、調理のコツと、豚肉との相乗効果についても解説。最後に、ハイライフがおすすめする豚肉×冬野菜レシピもたっぷりご紹介します。
冬野菜の特徴と栄養素
気温がぐっと下がる冬に旬を迎える冬野菜。寒さで凍ってしまうことを防ぐために体内で糖を作り蓄積することから、根菜を中心に糖度の高い野菜が多い傾向にあります。
代表的な冬野菜として、以下が挙げられます。
■大根
ビタミンCを豊富に含む淡色野菜で、白い根の部分には、糖質やタンパク質の分解・消化を助ける消化酵素が多く含まれています。葉の部分は緑黄色野菜にあたり、ビタミンC、β-カロテン、カルシウム、食物繊維が多く含まれています。
■白菜
ビタミンC、カリウム、食物繊維を含む淡色野菜です。白菜は煮るとくたくたになって量を食べやすく、野菜不足の解消にも役立ちます。ビタミンCもカリウムも水溶性なので、鍋料理などにして汁ごと食べることで、栄養素を逃さず摂取できます。
■ほうれん草
β-カロテン、ビタミンB群、ビタミンC、カルシウム、マグネシウム、鉄などの栄養素が含まれ、「緑黄色野菜の王様」ともいわれています。冬採れほうれん草のビタミンC含有量は、夏採れほうれん草の3倍!
■小松菜
β-カロテン、ビタミンC、カルシウム、鉄、カリウムなどの栄養素を含む緑黄色野菜で、中でもカルシウムの含有量はほうれん草の3倍以上!ほかの野菜と比較しても、カルシウム含有量がずば抜けて多いのが特徴です。
■ブロッコリー
β-カロテン、ビタミンC、ビタミンB群が豊富に含まれる緑黄色野菜です。寒くなるにつれて甘みが増す傾向にあり、11月~3月頃までが旬となっています。茎の部分を捨ててしまう方もいますが、茎の部分にもビタミンCや食物繊維が多く含まれていますので、捨てずに食べることをおすすめします。
■長ねぎ
ねぎの白い部分(淡色野菜)には、ビタミンCや硫化アリルの一種であるアリシンが含まれています。硫化アリル(アリシン)は、ねぎ特有の匂いや辛みの元となる成分で、玉ねぎやにんにく、ニラにも含まれます。一方、ねぎの青い葉の部分は緑黄色野菜にあたり、β-カロテン、カルシウムやカリウムなどのミネラルも多く含まれています。
豚肉と冬野菜を組み合わせることによる相乗効果
豚肉と冬野菜を一緒に食べることで、栄養面や味わいの面でも相乗効果が得られます。
豚肉×長ねぎ
豚肉に含まれるビタミンB1(別名:チアミン)と、長ねぎに含まれるアリシンは結合しやすい性質を持ち、チアミンとアリシンが結合することで「アリチアミン」という物質が生成されます。豚肉と長ねぎを一緒に食べ、アリチアミンが生成されることで体内への吸収効率がアップします。また、ビタミンB1は水溶性のビタミンのため、不要な分は尿とともに排出されますが、アリチアミンに変化することで体内に留まりやすくなると考えられています。
豚肉×緑黄色野菜
緑黄色野菜に含まれるβ-カロテンは脂溶性のビタミンで、油と一緒に摂取することで吸収効率がアップします。冬野菜であれば、豚肉とほうれん草、豚肉と小松菜、豚肉とブロッコリーの組み合わせは相性がよく、特に脂が多い豚バラ肉と合わせることで栄養素をより効果的に摂取できます。
豚肉×淡色野菜
大根や白菜などの淡白な野菜と豚肉を組み合わせることで、豚肉の旨みや脂が感じやすくなる効果も。また、大根おろしを合わせることで、脂の多い豚バラ肉もさっぱりと食べられるメリットもあります。
冬野菜の選び方とおいしく保存する方法
■大根
スーパーで大根を選ぶ際には、表面にハリとツヤがあって、ずっしりとした重みを感じるものを選びます。葉が付いたままだと大根の鮮度が落ちやすいため、多くのスーパーでは大根の葉がカットされた状態で売られますが、旬である冬は葉付きで売場に並ぶ機会が増えてきます。葉付きの大根は、葉がみずみずしくしなびていないもの、黄色に変色していないものを選びましょう。
冷蔵保存時にはキッチンペーパーや新聞紙で包み、ジップ付きの保存袋に入れて冷蔵庫に入れます。冷凍保存をする際は、みそ汁などに使いやすいイチョウ切りや短冊切りにしてからジップ付きの保存袋に入れ、冷凍するのがおすすめです。
また、大根を切ってザルに広げ、天日干しで乾燥させることで「切り干し大根」として長期保存することも可能です。大根の水分が飛ぶことで、栄養素や旨みが凝縮されるメリットもあります。
■白菜
外の葉が緑色でしっかりと巻いているもの、白い部分にツヤがありずっしりと重みのあるものを選びましょう。カットされている白菜は、葉が詰まってみずみずしく、断面が盛り上がっていないものを選びます。
冷蔵保存時はキッチンペーパーで包んでから、新聞紙で全体を包みます。冷凍保存の場合は使いやすいサイズにざく切りし、ジップ付きの保存袋に入れて冷凍します。冷凍した白菜は火が通りやすく味も染みやすくなるため、時短調理にも役立ちます。
■ほうれん草・小松菜
葉先までピンとしてハリがあり、しなびていないものを選びましょう。葉物野菜は乾燥に弱いため、冷蔵保存時には湿らせたキッチンペーパーで包み、ポリ袋やジップ付きの保存袋に入れて、冷蔵庫の野菜室に葉を上にした状態で立てて保管します。
冷凍保存をする際は、カットせずにそのまま熱湯でサッと固めに茹で、冷水にさらしてしっかり水気を絞ってから食べやすい大きさにカット。小分けにしてラップで包み、ジップ付きの保存袋に入れて冷凍します。食材を冷凍する前に行う加熱処理を「ブランチング」といい、固めに茹でることで細胞をやわらかくして細胞壁の破壊を抑えたり、野菜に含まれる酵素の働きを抑えて傷みや変色を防いだりする効果があります。
■ブロッコリー
濃く鮮やかな緑色で、つぼみが隙間なくぎっしり詰まったものを選びます。冷蔵保存時は、外側の葉を取り除いて新聞紙で包み、ポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保管します。冷凍保存の際は、ほうれん草と同様にサッと固めに茹で、キッチンペーパーでしっかりと水気を取ってから、ジップ付きの保存袋に入れて冷凍します。
■長ねぎ
葉先までピンとして全体にハリがあるもの、全体にみずみずしく、白い部分と緑の部分の境目がはっきりしているものを選びましょう。また、白い部分の巻きがしっかりしていて弾力があるものは新鮮で甘みがある証拠です。
冷蔵保存時は、根元を切り落としてから青い部分と白い部分に分け、白い部分は保存しやすい長さにカット。ラップで包み、ジップ付きの保存袋に入れて保管します。冷凍保存の際は、小口切りや斜め切りなど、料理に使いやすい大きさに切ってからジップ付きの保存袋に平らになるように入れ、空気を抜いて冷凍しましょう。
冬野菜を調理する際のポイント
大根に含まれるビタミンCや消化酵素は熱に弱く、煮込むと失われてしまうので、逃さず摂取するためには大根サラダや大根おろしなど生の状態で食べることをおすすめします。大根おろしに含まれるビタミンCは時間が経つと減少していくため、食べる直前にすりおろし、汁まで一緒に食べるのが理想です。
しかし、冬の寒い時期に生野菜を食べすぎると、体を冷やす原因にもなりかねません。生野菜にこだわりすぎず、冬野菜を温かく加熱して食べることも大切です。ビタミンCなどの栄養素は加熱によって少し損なわれてしまいますが、かさが減る分、生野菜よりもたくさんの量を食べられます。
また、昔のほうれん草はアク抜きが必須でしたが、現在では品種改良によってアクの成分であるシュウ酸の含有量が少なくなっており、サラダとして生食できる品種も登場しています。アクがほとんどない今のほうれん草の場合、電子レンジで加熱するのがおすすめ。茹でると栄養素はお湯に流れ出てしまいますが、電子レンジ調理だと栄養素が残りやすいです。
ブロッコリーも同様に、お湯で茹でるよりも、蒸したり電子レンジで加熱する方が栄養素の損失を防げます。
ハイライフおすすめの豚肉×冬野菜レシピ10選
最後に、ハイライフがおすすめする豚肉と冬野菜の組み合わせレシピ10選をご紹介します。
味染みで美味!豚バラと大根の炊き込みご飯
豚バラのコクとジューシーな大根の組み合わせが相性抜群!切って炊くだけの簡単炊き込みご飯レシピです。
材料と作り方はこちら↓
甘辛でご飯が進む!豚バラと大根の麻婆炒め
豚バラの旨みを大根に移すのがポイント!豆板醤と甜麺醤を使った甘辛な味付けで箸が止まらなくなる、人気のおかずレシピです。
材料と作り方はこちら↓
あったかい♪もつ煮風豚肉のみそ煮込み
おかずにもお酒のおつまみにもぴったりな、みそ煮込みレシピです。豚ハラミや豚バラを使うことで、煮込み時間が短くてもやわらかく、クセもなく仕上がります。
材料と作り方はこちら↓
餅入りで満足!豚バラと白菜の柚子みぞれ鍋
大根おろしと柚子でさっぱりと香り良く仕上げる、豚バラと白菜のミルフィーユ鍋レシピです。お餅を加えることでボリュームもアップ。お腹も優しく温まります。
材料と作り方はこちら↓
豚肉と白菜のとろ~りうま煮
みずみずしい白菜とジューシーな豚バラ肉の組み合わせが相性抜群!ご飯の上にかけて丼にも。具だくさんで満足感もたっぷりな、絶品うま煮レシピです。
材料と作り方はこちら↓
あったかほっとする味★ポーククリームシチュー
豚肩ロース、白菜、ブロッコリー、玉ねぎが入った、ルーなしで作る、あっさりなのに味わい深いクリームシチューレシピです。隠し味のしょうゆでご飯にも合います。
材料と作り方はこちら↓
フライパンひとつで!豚肉とほうれん草のクリームパスタ
フライパン1つ、コンロ1つで完結する簡単レシピ!コクがあるのにあっさりな、クラムチャウダー風のクリームスープパスタです。
材料と作り方はこちら↓
簡単ごちそう!豚すき焼き煮込みうどん
いつものうどんがご馳走に!鍋1つで手早く作れる寒い季節にぴったりのレシピです。
材料と作り方はこちら↓
豚こまとブロッコリーのペペロンチーノ
フライパン1つ、コンロ1口でOK!パスタの下茹でも不要な、絶品ペペロンチーノレシピです。
材料と作り方はこちら↓
栄養満点!白菜たっぷり☆麻婆白菜
ご飯によく合い栄養バランスも◎ 寒い時期、冷え防止にも役立つレシピです
材料と作り方はこちら↓
この他にも、下記ページでは、ハイライフおすすめの「冬にぽかぽか、温まる豚肉レシピ」をご紹介しています。ハイライフのレシピで豚肉と冬野菜をおいしく食べて、寒い冬を元気に乗り切っていきましょう。
https://hylifepork.com/recipes/tag/winter/
今回お話を伺った方
志水 あい
管理栄養士・健康ライター
WEBサイトや書籍などで健康・育児関連の記事を執筆したり、栄養素のはたらきを重視したレシピづくりを行っている。忙しいときでも手軽につくれる簡単レシピが得意分野。子どもが生まれてからは食育や知育に興味を持ち、食べものを通じて学べるレシピの開発なども行っている。