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品種?ブランド?「三元豚」ってどんな豚?

スーパーや飲食店でよく目にする「三元豚」という言葉。聞いたことはあるけれど、三元豚ってブランド名?豚の名前?と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。実は、黒豚を除く日本国内の銘柄豚の多くが三元豚であり、あなたが普段おいしく食べている豚肉は三元豚かもしれません。今回は、三元豚の意味や生産者の努力、そして魅力についてご紹介します。

三元豚とは?

一般に「三元豚(さんげんとん)」とは、3種類の品種を掛け合わせた豚のことで、「三元交配豚」とも呼ばれています。スーパーや飲食店においては、三元豚という言葉がブランド豚の代名詞のように使われているため、言葉そのものがブランド名・銘柄名だと誤解されがちですが、基本的には3種類の品種を掛け合わせた豚の総称です。三元豚はおいしい豚をリーズナブルに食べていただけるように、長年に渡って多くの生産者が努力をしてきた結果、3種類の品種を掛け合わせることがそれぞれの長所を活かした豚を生み出し、バランスのとれた良質な豚肉の安定供給を実現できる方法として生み出されました。

ちなみにブランド豚・銘柄豚というのは、生産者が差別化を図るために名付けた商品名称です。現在、日本全国に400種類を超えるブランド豚・銘柄豚が存在しており、いくつかのブランド・銘柄豚では団体や公共機関が定義しているものもありますが、多くは生産者が自ら品種、飼料、飼育環境などの条件をこだわり、自信のある品質として開発したものをブランド豚・銘柄豚として生産・販売しています。消費者にとっては、おいしく品質の高い豚肉選びの指標になっています。

三元豚のメリット

品種を掛け合わせる目的は、バランスのとれた良質な豚肉を安定供給することです。豚は品種によって体質や特徴、性格が異なり、それぞれに長所と短所を持っています。例えば、ストレスに強い・弱い、繁殖性に優れる・劣る、性格が粗い・おっとり、病気に弱い・強い、成長スピードが早い・遅い、赤身が強い・脂身が強いなどです。

純粋品種だと、病気をして安定供給が難しくなったり、生産効率が悪く価格が高くなりすぎたり、また肉質に偏りが出たりする可能性も高まります。それに対して、三元豚のように品種を掛け合わせることで、短所を補い長所を最大限に生かすことで、いいとこ取りの豚肉を生産することが可能になります。また、安定供給が可能になるということは、結果的に生産コストが下がり、おいしい豚肉をリーズナブルな価格で購入できることにもつながります。三元豚は生産者にとっても消費者にとっても、メリットが大きいのですね。

三元豚に使われる品種

三元豚に使われる主な純粋品種や有名な品種は以下のとおりです。

ランドレース

原産国はデンマーク。大型で、毛色は白。

繁殖能力に優れ、産子数・泌乳量も多く育成率が高い。

背脂肪が薄く、赤身率が高い。

大ヨークシャー

原産国はイギリス。大型で、毛色は白。

繁殖能力に優れ、一腹あたりの生産頭数が多い。

赤身と脂身のバランスがよく、加工肉の原料に適している。

デュロック

原産国はアメリカ。大型に近く、毛色は褐色。

産子数が多く、成長スピードが早い。

肉質が良く、肉にサシ(霜降り)が入っている。

バークシャー(いわゆる、黒豚)

原産国はイギリス。中型で、毛色は黒。いわゆる黒豚。

産子数が少なく成長スピードは遅いが、肉質が良い。

きめが細かく、生肉用に適している。

中ヨークシャー

原産国はイギリス。中型で、毛色は白。

発育がやや遅いが、強健性に富んでいる。繁殖性が高い。

肉質はやわらかく、脂肪の質が優れている。

ハンプシャー

イギリス・ハンプシャーから輸入した豚をもとに、アメリカで改良された。

大型に近く、毛色は主に黒。

産子数がやや少ないが、発育性に優れている。脂肪分が少なく、赤身が多い。

梅山(メイシャン)

原産国は中国。毛色は黒。日本には100頭ほどしか飼育されていない。

繁殖性に優れており、脂身(サシ)がしっかり入っている。

ピエトレン

原産国はベルギー。毛色は、黒白の不規則な斑模様。

脂肪が薄く筋肉量の多い品種で、赤身が強い。

海外では人気が高いが、保水性が少なくパサパサとした食感のため、日本人にはあまり好まれない。

生肉よりも加工肉に向いている。

イベリア(いわゆる、イベリコ豚)

原産国はスペイン。毛色は薄目のグレー、黒い脚と爪をもつ。

肉色が赤く、脂がさらりとして甘みがあるのが特色。生ハムのハモン・イベリコが有名でドングリを食べて育つとも紹介されますが、これは飼育法。ドングリや穀物を食べた期間や生育方法によってランク付けされており、最高級がベジョータ、穀物で育ったものをセボといいます。

日本での三元豚の主流は「LWD」

上述のように、三元豚に使われる豚の品種はさまざまですが、国産豚の三元豚で最も主流な組み合わせパターンは、ランドレース(L)と大ヨークシャー(W)との交配で生まれた雌豚(LW)に、デュロック(D)の雄豚と掛け合わせた「LWD」です。このLWDの三元豚は、日本の市場全体の70〜80%を占めているといわれています。ランドレースの高い繁殖性と産子数の多さ、大ヨークシャーの高い哺育性と赤身・脂身のバランスの良さ、デュロックのサシ(霜降り)の入った肉質の良さを併せ持つLWD。安定供給面でも品質面でもバランスが良く、コストパフォーマンスが抜群な上に、日本人好みの味わいであることが人気の理由です。

ハイライフでも主にLWDの三元豚を提供しています。特に日本人好みのおいしさを追求するために「種豚」(いわゆる母父豚)を自社飼育し、中でも肉質に影響が出るデュロックにはこだわりを持って自社で選別し飼育しています。同じデュロックであっても、その豚によってサシの入り具合や味わいに大きな違いが生じます。日本人がジューシーだと感じるちょうど良いサシ気(霜降り)が入ったデュロックを生産できるのは、一貫生産体制を築き、種豚からコントロールしているハイライフだからなし得ることです。また、豚の品種だけでなく、与えられる飼料や飼育環境によっても三元豚の味や品質は大きく変わります。日本向けに180日の育成期間で10回も配合レシピを変えるなど手間暇をかけて与える独自特別飼料配合「ジャパン・プログラム」や、広大な土地を有するカナダの企業だからこそ実現できる良質な飼育環境など、あらゆる点で他社を圧倒するハイライフならではのこだわりの下で、「ジューシー」「やわらかい」「臭みがない」という日本人好みの肉質を生み出しています。 LWD以外の組み合わせパターンとしては、ランドレース(L)とデュロック(D)にバークシャー(B)を交配した「LDB」や、金華豚(K)を交配した「LDK」などが挙げられます。ハイライフではLWDがメインですが、特別プログラムとして、ランドレース(L)と大ヨークシャー(W)にバークシャー(B)を交配した「LWB」という三元豚も生産しています。バークシャーは黒豚であるため、LWDよりも肉色が強く、脂身の甘みをより楽しめることが特徴です。

ハイブリッド豚とはどう違う?

北米やヨーロッパでは、生産性の追求を目的として、四元豚や五元豚など4品種以上を掛け合わせた「ハイブリッド豚」の開発が盛んになっています。掛け合わせる品種が増えるほど、それぞれの豚の特徴や味の良さが薄れてしまうため、必ずしも味がおいしくなるというわけではありません。海外では赤身の豚肉が好まれ、ハムやソーセージなどの加工品として食べられることがメインとなっています。ハイブリッド豚の開発は、豚肉の生産性と加工をしやすくすることが主な目的。日本のように生肉の肉質を重視したり、ブランド豚を開発したりする傾向は低く、日本と海外では豚の開発・改良の目的が異なるということを知っておきましょう。

日本人の好みを追求した結果…それが三元豚

日本では古くから純粋品種を大切に守り、純粋品種を三元交配させるという(海外のハイブリッド豚とは異なる)三元豚を作り上げてきました。日本と海外では豚肉の好みや用途が異なるため、どちらが良い・悪いということではありませんが、日本人が好む豚肉を作る上で重要なのは、いかにバランス良く、豚の特長を引き出す交配ができるかということです。日本人が好む豚肉は、やわらかくてジューシーだけどクセがない、何にでも合わせやすいあっさりとした味わいです。その日本人の好みを追求した結果、品質、味、価格、安定供給などの面においてベストだったのが三元豚であり、LWDという組み合わせだったといえます。

ハイライフは、カナダの企業でありながら日本市場に着目し、一貫生産体制の下でより品質の高い豚肉を提供するべく、長年努力を続けてきました。徹底的に日本人好みのおいしさを追求してきたカナダの三元豚・ハイライフポークは、ほかの輸入ポークとも日本のブランド豚とも異なる魅力が詰まっています。輸入豚肉の常識をくつがえすハイライフポークのおいしさを、ぜひ体感してみてください。

まとめ

3種類の品種を掛け合わせることで欠点を補い、強みを最大限に活かしたいいとこ取りの豚、三元豚。生産者・消費者の両方にメリットの大きい三元豚は日本人にとって欠かせない存在となっており、より良い三元豚を生み出すため、多くの生産者が開発・改良に励んでいます。今後豚肉を選ぶ際には、豚の品種や三元豚の組み合わせにもぜひ注目してみてください。より自分好みのおいしい豚肉を見つけるためのヒントにもなることでしょう。

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