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日本のスーパーで売られている骨付き豚肉には「スペアリブ」と「バックリブ」があります。「スペアリブ」は馴染みがある方が多いかと思いますが「バックリブ」はいかがでしょうか?最近よく見られるようになりましたが「スペアリブ」との違いについては良く分からない方も多いのではないでしょうか?また、骨付き肉は薄切り肉に比べると調理法や美味しい食べ方について迷うかも知れません。こちらではそんな疑問を解決でき、調理したくなる様なコツと簡単で美味しいハイライフポークテーブル篠嵜シェフ考案レシピを紹介します!
骨付き豚肉の魅力と特徴
【魅力】
骨の周りには肉の旨みやおいしさが詰まっていると言われています。骨付き豚肉はボリューム感、存在感があり、食卓を豪華にしてくれる存在です。肉質は柔らかくコクと旨味があるので、焼いたり煮込んだりと幅広い料理に向いています。そして、煮込んだスープには骨からの旨味が染み出し深みが出ます。栄養価での特徴は、コラーゲンを豊富に含む事です。 コラーゲンは皮膚や骨と深くかかわりがあります。もちろん豚肉としてのビタミンB1も豊富に含み、総合すると疲労回復や美肌効果が期待できます。
【特徴】
骨付き豚肉の部位として、「スペアリブ」と「バックリブ」があります。その中でも「スペアリブ」は肩ロースからバラにかけてついている部位を指し、肩側の「肩スペアリブ」、バラ側の「バラスペアリブ」に分かれます。こちらでは「肩スペアリブ」「バラスペアリブ」「バックリブ」の3部位について見ていきます。
肉に厚みがあり、食べごたえのあるジューシーな肉質が魅力です。日本のスーパーに並ぶスペアリブは肩スペアリブの場合が多いです。
簡単に言うと骨付きバラ肉です。北米ではセントルイスカットと呼ばれ馴染みのある部位で、BBQに重宝されています。程よい肉付きと脂身で調理がしやすい骨付き豚肉です。
最近では「バックリブ」もスーパーの売り場でよく見られるようになりました。「バックリブ」は背中側のお肉(ロース)についている骨付き肉で、骨離れがよくスペアリブに比べて脂肪分が少なく柔らかいのが特徴です。
では、調理をしてみましょう!
春夏におすすめ!【フライパンで焼いてみましょう】
前日に漬けておけば当日は焼くだけ!お家ご飯の時短レシピとして活躍します。アウトドアシーンでは漬けたお肉を持って行きそのまま焼けばO K!骨付き豚肉のボリュームがあるメニューは食卓を豪華にしてくれます。
ポイントは下準備!短時間で焼き上げる調理は下準備が重要になります。目的は、「肉の火通りを良くする」「柔らかくする」「骨離れを良くする」です。
火の通りをよくする為に
【肉の分厚い部分には切り込みを入れる】【肉をフォークで刺し数カ所に穴を開ける】
切り込みを入れると火の通りが良くなり、生焼けを防ぐ事にも繋がります。フォークで穴を開けると調味料の染み込みも良くなります。
お肉を柔らかくする為に
【調味料などに漬け込む】
酒や発酵調味料(味噌、塩麹、ヨーグルトなど)によりお肉の筋繊維がほぐれ、保水性がアップすることで柔らかくジューシーになります。また、生の玉ねぎやパイナップルに含まれる酵素はタンパク質を分解します。それらに20分程漬け込む事で肉質に変化が起き柔らかくなります。下味に砂糖をプラスするのもおすすめです。お肉の組織に入り込んだ砂糖がタンパク質の一種であるコラーゲンと水の結びつきを助け、お肉を柔らかくしっとりさせる働きが期待されます。
骨離れをよくする為に
【骨側の膜に切り込みを入れる】
骨に沿わせるように1本ずつ切れ込みをいれます。難しい場合は骨と垂直に、横に真っすぐ2~3本切れ込みをいれます。膜をカットする事で、骨からスルッと外れやすくなります。
フライパンで焼く基本的な作り方
- 肉の分厚い箇所は開くように切り込みを入れ、フォークで数カ所に穴を開ける。骨側の膜に数箇所の切り込みを入れる
- 調味料に漬け込み、2時間〜一晩冷蔵庫に置く(焼く30分前に常温に出す)
- テフロン加工タイプのフライパンを弱中火で熱し薄く油を引く。1の骨付き豚肉を並べて蓋をする。片面6分ずつ蓋をして焼く
- フライパンに水分が残っていたら蓋を外して水分を飛ばしながら加熱する。香ばしく焼きあがれば出来上がり!
【調理のポイント】
最後、フライパンに水分が残っていたら蓋を外して加熱し水分を飛ばします。香ばしく焼き上げましょう!
ハイライフおすすめレシピ
漬けて焼くだけ!簡単ガーリックスペアリブ
みんな大好きガーリック風味の甘辛スペアリブ。漬けてBBQに持参するのも◎
材料(2人分)
ハイライフポーク(スペアリブ) 700g
[ ソース ]
ケチャップ 大さじ3
しょうゆ 大さじ2
酒 大さじ2
塩 小さじ1/2
おろしにんにく 大さじ1/2
砂糖 大さじ1
はちみつ 大さじ1
[ 仕上げ ]
カットレモン(お好みで) 2カット
作り方
- ジップ付きポリ袋にソースの材料を全て入れ、よく混ぜる
- スペアリブの肉をフォークで刺し、数カ所に穴を開ける。1の袋に入れてソースをよく揉み込む
- 2時間〜一晩、冷蔵庫に置く。焼く時は30分前に常温に置く
- テフロン加工タイプのフライパンに薄くサラダ油(分量外)を引き、弱中火で熱す
- 袋から出したスペアリブを並べて蓋をする。蓋をしたまま片面6分ずつ焼く
- お好みでレモンを添えて召し上がれ!
秋冬におすすめ!【お鍋で煮込んでみましょう】
寒い時期は温かいスープが恋しくなりますね。骨付き豚肉で煮込んだスープは深い旨味が絶品!じっくり煮込こんでいる間は他の作業が出来るので、時間を有効に活用できます。ホッとする美味しさの煮込み料理で身体も心も温まりましょう。
ポイントは調理時間!するっと骨から外れるプルプルのお肉はたまらなく美味しいですよね。骨付き豚肉はコラーゲンを多く含む部位です。コラーゲンが加熱により軟化しプルプルのお肉に仕上がるので、骨付き豚肉は煮込み料理に適した食材と言えます。
お肉を柔らかくする為に
【火加減はやさしく】
タンパク質は高温加熱に弱く、硬くなる傾向があります。高温で加熱し続けると内部組織が必要以上に収縮し、肉汁の流出量が増えてジューシーさに影響します。弱く沸騰する状態で優しく煮込むとプルプルの仕上がりになります!
【加熱時間は60~90分間が目安、時間があれば120分が理想的】 圧力鍋の場合は圧力が掛かってから25分間煮込み、圧力が下がるまで放置
お肉が柔らかくなる理由は「コラーゲンが軟化しゼラチン化する」事が大きく影響しています。コラーゲンは硬い繊維状のタンパク質で、筋繊維の接着剤のような役割をしています。一般的にお肉のコラーゲンは約65度で収縮を始め固くなりますが、75度〜85度で軟化し始めます(ゼラチン化)。加熱を続ける事でコラーゲンの分子が熱によってほぐれ筋繊維の接着作用が弱まり、お肉自体がほぐれやすく柔らかくなります。それに要する時間が、沸騰後おおよそ60~90分以上となります。
【炭酸水を使い、漬ける・煮込む も効果的】
お肉を炭酸水に30分程漬けます。炭酸ガスは弱酸性なのでお肉のタンパク質に作用し、筋繊維の分解促進が期待できます。また、筋繊維に隙間ができて調味料が染み込みやすくなります。炭酸水ごと煮込む場合は、圧力鍋での調理を避けて下さい。
風味豊かに仕上げるために
【香味野菜と一緒に煮込む】
香味野菜とは、食材を引き立て料理に風味をプラスしてくれる野菜の事を呼びます。食材の臭みを消す役割もあります。一緒に煮込む事で食材もスープも味わいが豊かになるのでおすすめです。数種のハーブを取り合わせて束ねた「ブーケガルニ」を一緒に入れて煮込む事でも風味がプラスされ、味わいと香りに深みが生まれます。
香味野菜の例:玉ねぎ、にんじん、セロリ、パセリ、ニンニク、生姜、こしょう、ローリエ、タイム、セージなど
お鍋で煮込む基本的な作り方
- 骨付き豚肉500gに対し、塩大さじ1+砂糖小さじ1をすり込み2時間〜一晩冷蔵庫に置く
- 大きめの鍋にお肉を入れ、お肉の表面から3cm程上まで水を加える。一緒に煮込む野菜やハーブ類を加えるのも良い
- 中火で加熱し沸騰したらアクを取り除き、蓋をして弱火で60分間煮込む
【調理のポイント】
煮込む水分量は蒸発分を考慮し、お肉よりやや上まで入れます。(圧力鍋の場合はお肉がちょうど浸る程度まで)
ハイライフおすすめレシピ
スープもおいしい!豚スペアリブの塩煮込み
塩だけのシンプル簡単な味付けでこんなにおいしい!澄んだスープもご馳走です。
材料(2人分)
ハイライフポーク(スペアリブ) 500g
塩 大さじ1
しょうがスライス 5枚
長ねぎの青い部分 1本分
水 適量
好みでマスタード 適量
作り方
- 鍋に全ての材料を入れて水を加える。水は肉の表面から3cm程上まで入れる
- 中火にかけ、沸騰したら弱火にし蓋をずらして置く。アクがある場合は取り除く
- 60分煮込んで出来上がり(時間がある場合は90分煮込むとより柔らかくなる!)
- マスタードを添えてスープごと頂く(スープの塩分が高いと感じた場合はお湯で調整する)
※圧力鍋を使用する場合は水を肉の表面ひたひたにし、圧力がかかってから25分煮込む
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