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和洋中さまざまな料理に使え、メイン料理にも隠し味にも活躍する万能野菜の「玉ねぎ」。年間を通じて流通し、価格が手頃で日持ちもすることから、家庭には欠かせない食材です。そんな玉ねぎは、同じく万能食材として活躍する豚肉との相性も抜群!今回は豚肉と玉ねぎを組み合わせることによる栄養効果や、玉ねぎを調理する際のポイント、選び方、保存方法について解説するとともに、ハイライフがおすすめする豚肉×玉ねぎレシピもたっぷりとご紹介します。
玉ねぎに含まれる栄養素「アリシン」とは?
生の玉ねぎには硫化アリルの一種が含まれており、ビタミンB1の吸収を高めて新陳代謝を活発にする働きがあります。
硫化アリルは玉ねぎのツンとしたにおいや辛味のもととなっている成分。玉ねぎのほかにも、にんにく、ねぎ、ニラなどのユリ科の野菜に多く含まれています。玉ねぎを切ったりすりおろしたりすることで細胞が壊れると、玉ねぎに含まれる酵素の働きによって細胞内の「アリイン」という物質が「アリシン」に変わります。
豚肉と玉ねぎは栄養面でも相性抜群!
ビタミンB群を豊富に含む豚肉。その中でもビタミンB1に関しては100gあたりの含有量があらゆる食品の中でトップクラスです。豚肉に含まれるビタミンB1(別名:チアミン)と、玉ねぎのアリシンは結合しやすい性質を持っており、チアミンとアリシンが結合することで「アリチアミン」という物質が生成されます。アリチアミンに変わることで体内への吸収効率がアップします。
このように豚肉と玉ねぎの組み合わせは、味はもちろん栄養面でも相性抜群!ビタミンB1はエネルギー代謝に関与する栄養素のため、アリシンと一緒に摂取することで、エネルギー不足による疲労回復にも役立つと考えられています。
玉ねぎを調理する際のポイント
切り方によって味や食感が変化
玉ねぎは、切り方次第で味や食感が大きく変わります。そのポイントは「繊維の向き」です。
玉ねぎの繊維の向きに沿って並行(縦向き)に切ると、玉ねぎの辛味を生かしつつシャキシャキとした食感を残せます。玉ねぎの形が崩れにくいため、くし切りや薄切りにして炒め物やスープにしたり、シチューや肉じゃがといった煮込み料理にしたりするのがおすすめです。
一方、玉ねぎの繊維を断つように垂直(横向き)に切ると細胞が壊れ、水にさらすことで辛味成分が抜けやすくなります。生でスライスしてサラダに入れるほか、輪切りにしてオニオンリングや焼肉、バーベキューに使うのもおすすめです。玉ねぎの繊維を断つことで口当たりがやわらかくなり、辛味成分が抜けることで玉ねぎ本来の甘みも感じやすくなります。
玉ねぎの甘みを引き出すには?
玉ねぎはほかの野菜と比べて糖分が多い食材ですが、生食の場合は、辛味成分が邪魔をして甘みを感じにくくなります。そこで、玉ねぎの甘みを引き出すためには加熱することが大切。加熱によって辛味成分が蒸発し、玉ねぎ本来の甘みを感じやすくなります。飴色玉ねぎのように、長く加熱することで風味が良くなる反応(カラメル化、メイラード反応)が起こるため、玉ねぎが褐色に変化し、甘みが引き立ちます。
玉ねぎで泣かないコツ
玉ねぎを調理する際のお悩みとしてよく挙がるのが、切る時に目に染みて涙が止まらないという声です。そこで、玉ねぎで泣かないコツとして以下3点をご紹介します。
1.よく切れる包丁を使う
例えば、よく切れる包丁だとスパッと切れるトマトも、切れ味の悪い包丁を使うとぶにゅっと潰れてしまいます。玉ねぎも同様に、よく切れる包丁を使うことで細胞が壊れる範囲や程度が少なく済み、目が痛くなる原因となる硫化アリル流出量が減り、飛び散りにくくなります。
2.冷蔵庫で冷やしてから切る
硫化アリルは揮発性が高いため、冷蔵庫で冷やしてから切ることで刺激成分が出にくくなり、涙が出るのを抑えられます。
3.生で食べない時は電子レンジで温めよう
この記事の冒頭で、玉ねぎを切ることで細胞が壊れると、酵素の働きによって細胞内の「アリイン」が「アリシン」に変わるという解説を行いました。しかし、玉ねぎを電子レンジで加熱して酵素の働きを止めることで、催涙物質の生成を抑えることができます。皮付きの玉ねぎなら1つ500Wで2分。皮なしの玉ねぎなら1つ500Wで30秒が目安です。
玉ねぎの選び方と注意点
表面の茶色い皮がしっかりと乾燥していて艶があるものを選びましょう。玉ねぎの首部分にも注意し、湿った感触があるものは避けてください。乾燥が十分でない玉ねぎは、中の状態が悪くなっている可能性があります。
春に出回る「新玉ねぎ」に関しては、日持ちを良くするために乾燥させてから流通する一般的な玉ねぎとは異なり、収穫後すぐに出荷されるため、皮が湿っていることもあります。
玉ねぎをおいしく保存する方法
玉ねぎは湿気に弱く、水分がつくと腐りやすくなります。冬場は風通しの良い場所で常温保存しても問題ありませんが、おいしく保つには冷蔵保存が理想です。新聞紙に包んで冷蔵庫で保管しましょう。
冷凍保存する際には、くし切りやみじん切りなど料理に使いやすい形にカットし、ジップ付きの保存袋に入れて冷凍するのがおすすめです。1カ月程度を目安に使い切りましょう。
ハイライフおすすめの豚肉×玉ねぎレシピ10選
最後に、ハイライフがおすすめする豚肉と玉ねぎの組み合わせレシピ10選を紹介します。
絶品!やわらかおいしい豚のしょうが焼き
合わせ調味料にメープルシロップを使用した、ハイライフ自慢の豚薄切り肉のしょうが焼きレシピです。玉ねぎとのバランスも良く、メープルシロップの効果でさっぱりとまろやかな味わいに仕上がります。
材料と作り方はこちら↓
大満足!本格ポークラタトゥイユ
玉ねぎやパプリカ、なす、ズッキーニなど彩り豊かな野菜のラタトゥイユに豚肉を加えることで、ボリュームも栄養面でも大満足!作り置きにも最適なレシピです。
材料と作り方はこちら↓
秘密のコツ!生産者が作る基本の肉じゃが
豚肉をたっぷり入れた満足感のある肉じゃがレシピです。このレシピの特徴は、砂糖としょうゆで先に味付けをすること。具にしっかり味が入り、やさしい深みのある味に仕上がります。
材料と作り方はこちら↓
使い方いろいろ!黒こしょうオニオンソース
玉ねぎを煮詰めて甘さを引き出す、黒こしょうがアクセントのオニオンソースレシピです。ポークステーキにかけるのはもちろん、ポン酢で割ればしゃぶしゃぶのタレにも早変わり!二度おいしいソースです♪
材料と作り方はこちら↓
疲労回復に!ポークステーキの温野菜サラダ
豚肉のビタミンB1と玉ねぎのアリシンを組み合わせて、疲労回復効果をアップ!にんにくとチリパウダーが効いたソースで、豚肉と野菜をたっぷり食べられるレシピです。野菜を電子レンジで調理することで水溶性のビタミンが茹で汁に流れ出すことを防ぎ、効率よくビタミンを摂取できます。
材料と作り方はこちら↓
簡単&本格的!おうちで人気のチャプチェ
韓国料理の中でも人気のチャプチェをおうちにある調味料で簡単に作ろう♪玉ねぎをはじめとする野菜がたくさん摂れて、お酒のお供にもご飯にもぴったりのレシピです。
材料と作り方はこちら↓
豚バラ肉でパパッと時短☆カレー肉うどん
お肉たっぷりで食べ応えのあるカレー味の肉うどん。とろみのあるスープは体を温めてくれます。少ない材料でパパッと作れるのも魅力のレシピです。ランチにピッタリ!
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豚肉入りで栄養満点!ミネストローネスープ
スープの定番、野菜たっぷりのミネストローネに豚肉をプラス!塩麹を使うことで豚肉と野菜の旨味を引き出し、やわらかく仕上げるレシピです。冷蔵庫の残り野菜も無駄なく消費できます。
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子どもと作ろう!豚肉たっぷりジューシー焼売
フライパン一つで蒸し焼きにする、簡単焼売レシピです。クッキングシートを敷けば、後片付けも楽ちん。材料を混ぜて包むだけなので、お子さんと一緒に楽しみながら作れます。
材料と作り方はこちら↓
簡単!おうちで洋食屋さんのポークチャップ
豚ロース肉を使った、サッと作れてごはんとよく合う人気レシピです。玉ねぎの甘みを感じる甘ずっぱいソースが豚肉によく合います! 酒と水の代わりに赤ワインを使うとより本格的な味わいに。
材料と作り方はこちら↓
どちらも手頃な価格で使い勝手のよい食材である、豚肉と玉ねぎ。味の面でも栄養面でも相性抜群なこの2つを上手く組み合わせて、よりおいしく健康な食生活を目指していきましょう。
今回お話を伺った方
志水 あい
管理栄養士・健康ライター WEBサイトや書籍などで健康・育児関連の記事を執筆したり、栄養素のはたらきを重視したレシピづくりを行っている。忙しいときでも手軽につくれる簡単レシピが得意分野。子どもが生まれてからは食育や知育に興味を持ち、食べものを通じて学べるレシピの開発なども行っている。