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子どもがなかなか野菜を食べてくれなくて困っている…。そんな悩みを持つ方も多いのではないでしょうか?和洋中さまざまな料理に使えて、野菜との相性が良い豚肉は、子どもの野菜嫌いの克服にも大活躍!子どもの野菜嫌いの原因や解決策を管理栄養士の志水あいさんに解説いただくとともに、豚肉と野菜を組み合わせた「野菜嫌い克服レシピ」も紹介します。
なぜ野菜を食べる必要があるの?
そもそも幼い子どもが食事をする目的として、以下の2点が挙げられます。
①成長するための栄養摂取
健康な体を作るために、成長に必要な栄養素を摂取する。
②健康的な食習慣を身につける
大人になってからも健康で居続けられるように、栄養バランスの良い食習慣の土台を作る。
ただ体を大きくするだけであれば、どのような食べ方でも良いということになりますが、成人後も健康でい続けるためには幼い頃から健康的な食習慣の土台を作り、何でも好き嫌いなく食べられるようになっておくことが大切です。
栄養バランスの良い食生活に不可欠とされるのが、ビタミンやミネラル、食物繊維を豊富に含む野菜です。野菜以外の食べ物からもビタミンやミネラルの摂取は可能ですが、1日に必要な量をまかなうためには大量に摂取しなければならないことも。その結果、ハイカロリーになってしまったり、栄養バランスが偏ってしまったりする可能性が高まります。また、食物繊維は動物性食品ではほとんど摂取できません。フルーツにも食物繊維は含まれますが、糖質を摂りすぎたり、必要な栄養素が摂れなかったりする懸念があります。
大人になるにつれて体重当たりのエネルギー必要量が減少していくことも考慮すると、幼い頃から野菜を食べられるようになっておく方が好ましいと言えます。
子どもの野菜嫌いの原因とは?
嫌いな野菜とその理由は子どもによってさまざまですが、一般的には以下5点の原因が挙げられます。
①苦味や酸味が苦手
子どもは味覚が敏感であり、五味(甘味、塩味、旨味、酸味、苦味)のうち、酸味と苦味を苦手とする傾向が高いです。甘味、塩味、旨味は生きるために欠かせない、本能的に欲する味覚である一方、酸味は腐っているものを見極めるための味覚、苦味は毒や体に害のあるものを見極めるための味覚で、幼少期は特に拒否反応が出がちです。野菜には、虫や鳥などの外敵や紫外線から身を守るために生成される抗酸化物質の「ポリフェノール」や「カロテノイド」などが多く含まれています。苦味成分もそのひとつです。
②においが苦手
子どもは嗅覚も敏感です。におい成分も抗酸化物質の一種で、苦味だけでなく野菜のにおいに抵抗を感じる場合も多く見られます。
③硬い
口腔内の発達状態が未熟なことから、幼い子どもは硬い食べ物を苦手とします。硬いもの=食べにくいものと認識すると、以後拒否反応が出てしまう可能性があります。
④初めて見るもの・食べるものへの抵抗感
昆虫食の習慣がない人が昆虫料理に抵抗を感じるのと同じように、子どもも初めて見るもの・食べたことがないもの・見慣れないものには不安や拒否反応を示します。
⑤一度嫌な経験をすると苦手意識が生まれる
一度食べて嫌な思いをした、無理やり食べさせられたという経験が苦手意識につながります。
子どもの野菜嫌いの解決策は?
①苦味や酸味が苦手
→ 味を隠す、苦味を和らげる。
濃いめの味付けにする、炒め物・揚げ物などの油を使った調理方法にすることで、子どもが苦手な苦味・酸味を隠し、感じにくくすることができます。また、野菜を餃子や春巻きの皮で包んだり、野菜を細く刻んでカレーやハンバーグに混ぜ込んだりする手も。みじん切りにすることで野菜の味が抜けやすくなります。野菜の加熱時間を長くする・冷凍することで野菜の細胞壁が壊れやすくなり 、苦味成分が細胞の外に出て変化するので、味を和らげることも可能です。
②においが苦手
→ 野菜を下茹でする、冷凍する。
①と同様に、野菜を下茹でする、冷凍することによって野菜の細胞壁が壊れやすくなるため、野菜独特のにおいを感じにくくすることができます。
③硬い
→ 食べやすい硬さに調理する。
口腔内の発達状態に合わせて、野菜を食べやすい硬さに加熱調理しましょう。しかし、ある程度の歯応えがある方が食べやすいという子どももおり、柔らかければいいというわけではありません。その子にとって食べやすい・おいしいと感じる硬さを見つけてあげることも、苦手克服のためには重要です。
④初めて見るもの・食べるものへの抵抗感
→ まずは食卓に並べる、味当てゲームで楽しく食べる。
まずは食卓に並べて、「初めて見る食べ物」から「見慣れた食べ物」という認識に変えていくことが大切です。たとえ子どもが食べなくても、大人がおいしそうに食べている様子を目にすれば、徐々に抵抗感は薄れていきます。その後、子どもが自ら興味を示し始めたら、「一口食べてみたら?」「まずは口に入れるだけでもいいよ」と声がけしてみましょう。
また、目隠しをして食べ物の味を当てる「味当てゲーム」を行ってみるのも有効です。これは何だろう?と考えながら味わうことで、嫌いな野菜も意外とおいしい!と食べてくれる場合も。野菜の好き嫌い=食わず嫌いという場合も多いため、ゲームとして楽しみながら、まずは一口食べてみるというきっかけを作ってあげることを意識してみてください。
⑤一度嫌な経験をすると苦手意識が生まれる
→ 心理的に追い込まない、段階的に克服する。
子どもにとって野菜は不可欠ですが、無理に食べさせるのは逆効果。大人になってからの食生活を見据えて、段階的に苦手を克服していくことが重要です。なかなか食べてくれないとストレスを感じますが、「今はまだ苦手なんだね」「大きくなるとおいしく感じるんだよ」という気持ちで接しましょう。そうすると、好き嫌いを克服したときに成長を感じられるので、親子で一緒に喜べます。
豚肉は、野菜嫌いの克服にも大活躍
タンパク質やビタミンB群を豊富に含む豚肉は、野菜と同様に成長期の子どもに欠かせない食材です。野菜だけ、豚肉だけの料理よりも、豚肉と野菜を組み合わせた料理の方が、子どもにとっては食べやすく、結果的に野菜嫌いの克服にも役立ちます。その理由としては、①豚肉の脂が野菜の苦味やにおいを上手く隠してくれること、②豚肉と野菜の旨味の相乗効果が期待できることが挙げられます。また、豚肉は牛肉や鶏肉と比べて部位・形状が豊富で、料理のバリエーションが広いので、子どもの好みに合わせてアレンジできるのもよいところです。
豚肉と野菜を組み合わせたおすすめ料理例として、野菜の肉巻きがあります。焼き野菜の場合、子どもは食物繊維が多くて噛みきれなかったり、食べにくいと感じたりしやすいですが、肉巻きであれば豚肉と一緒に食べることで噛み切りやすく・飲み込みやすくなります。
また、ピラフや焼き飯には細かく切った豚肉や豚ひき肉を使用し、豚肉の大きさに合わせて野菜をみじん切りにしましょう。具材の大きさや形状が揃っている方が食べやすいからです。最初は「野菜のみじん切り×豚ひき肉(ピラフ、焼き飯、ハンバーグなど)」から始め、子どもが慣れてきたら「野菜の千切り×豚肉の千切り(チンジャオロース、野菜炒めなど)」に移行するなど、徐々に野菜の形状を変えて、慣らしていくのがおすすめです。
豚肉と野菜を組み合わせた、野菜嫌い克服レシピ
最後に、野菜嫌いの克服にぴったりなハイライフポークのおすすめレシピをご紹介します。
豚こま肉とトマトのマヨぽんパパっと炒め★
マヨネーズとポン酢を使った簡単でおいしい炒め物レシピです。マヨネーズと豚こま肉の脂のおかげで子どもも食べやすくなり、コスパも抜群。トマトを入れたらサッと仕上げるのがポイントです。
材料と作り方はこちら↓
甘辛い味付けのきんぴらなら、ごぼうやにんじんが苦手な子どもでもおいしく食べられます。豚肉入りでボリュームも満点なので、メインおかずにもぴったりです。
材料と作り方はこちら↓
子供の栄養強化に!豚肉チーズ巻ピンチョス
先に野菜を食べないと肉巻きにたどり着かない仕掛けのピンチョス♪食が進むカレー風味で、子どもに不足しがちなビタミンC、カルシウム、鉄分などの栄養素をおいしく摂取できるレシピです。
材料と作り方はこちら↓
ごはんがすすむ!豚肉チンジャオロース
厚めの焼肉用豚バラ肉を細切りにして使う、ハイライフポーク特製の本格的なチンジャオロースレシピです。子どもが食べやすいように具材の形や大きさを揃えるのがポイント。脂やソースの濃い味付けで、ピーマン独特の苦味も感じにくくなります。
材料と作り方はこちら↓
豚肉と野菜を上手く組み合わせておいしく食べ、無理なく野菜嫌いを克服していきましょう。
今回お話を伺った方
志水 あい
管理栄養士・健康ライター
WEBサイトや書籍などで健康・育児関連の記事を執筆したり、栄養素のはたらきを重視したレシピづくりを行っている。忙しいときでも手軽につくれる簡単レシピが得意分野。子どもが生まれてからは食育や知育に興味を持ち、食べものを通じて学べるレシピの開発なども行っている。