TIPS調理テクニック

平日の忙しい時もラクに!「冷凍」を活用して豚肉や野菜を手軽においしく楽しむ

長引くコロナ禍と食品の値上げラッシュの影響で、冷凍食品を活用する家庭が急増中。冷凍食品を単に購入して調理するだけでなく、豚肉や野菜などをスーパーでまとめ買いして冷凍し、家計をうまくやりくりする動きも活発になってきています。そこで今回は、家庭における「冷凍」活用の魅力に注目。食卓に欠かせない豚肉や野菜の上手な冷凍方法や、自宅で手軽に作れる「下味冷凍(自作ミールキット)」レシピもご紹介します。

コロナ渦&値上げラッシュで冷凍食品の需要が急上昇

新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに、自宅で食材から調理して食べる「内食」需要が一気に高まった一方、自粛生活が長引くにつれて、冷凍食品や弁当、惣菜といったより手軽な「中食」需要が次第に増加しました。また、コロナ禍と並行して、原材料価格や物流費の高騰で食品の値上げラッシュが続いており、家計を大きく圧迫する状況に。そんな中で「調理の手間が省ける」「調理時間が短縮できる」「買い置きができる」といった利点を持つ冷凍食品の需要が高まりを見せています。2021年の家庭用冷凍食品の国内生産数量は前年比4%増の79万8000トン。業務用冷凍食品の国内生産数量を初めて上回り、1970年の調査開始以来、最高値を更新しました。全国のスーパーでは冷凍食品売り場が拡充されるとともに、冷凍食品だけを取り扱う専門店も登場。冷凍食品の購入量が増えたことで「セカンド冷凍庫」を買い足す家庭も多いといいます。まだ終わりの見えない値上げラッシュの中で、家庭における冷凍食品の重要性はますます増していく見通しです。

家庭における「冷凍」活用のメリット

冷凍食品を購入して自宅で調理することに加えて、スーパーで購入した肉や野菜などの食材を「冷凍」活用し、家計をうまくやりくりする動きも活発になっています。食材を冷凍するメリットとして

・傷みやすい肉や野菜などの生鮮食品を長期保存できる

・セール時にまとめ買いし、小分けにして冷凍しておくことで食費を節約できる

・下処理をしてから/下味をつけてから冷凍(下味冷凍)しておくことで、調理の時短につながるといった点が挙げられます。

野菜に関しては、冷凍することで栄養素の減少を抑えられるメリットもあります。野菜は一般的に常温で流通しますが、鮮度が落ちるとビタミンなどの栄養素が失われていくため、常温よりも冷蔵保存、冷蔵よりも冷凍保存が好ましいです。特にすぐに食べない・調理しない野菜については、なるべく新鮮なうちに冷凍しておくことをおすすめします。

食卓に欠かせない「豚肉」と「野菜」の上手な冷凍方法

豚肉の冷凍と解凍方法

豚肉をおいしく冷凍・解凍するコツはすばやく冷凍し、ゆっくり時間をかけて解凍すること。2週間〜1カ月を目安に食べ切ることをおすすめします。

豚の薄切り肉やひき肉を冷凍する際は、板状に平たく並べ、ラップでしっかりと包んでください。肉が短時間で凍り、鮮度やおいしさを保つことができます。1パック分をまとめて包むのではなく、小分けにして冷凍するのも有効です。また、豚肉に大さじ1〜2ほどの料理酒やワインをもみ込んで冷凍すると保存性が高まり、解凍時に柔らかくなるという効果も。しょうゆやみそなどであらかじめ下味冷凍しておくと、肉が柔らかくなるだけでなく時短調理にもつながるので非常に便利です。かたまり肉は、ドリップが出ている場合にはペーパータオルで押さえて拭き取り、空気が入らないようにラップに包んでジップ付きの保存袋に入れて冷凍します。ドリップは傷みや臭いの原因に、空気が入ると冷凍焼けの原因になりますので注意しましょう。

豚肉を解凍する際は、冷蔵庫で一晩かけてゆっくり解凍するのが理想的です。常温解凍や流水解凍もよいですが、レンジ解凍は肉がパサつき、旨みが損なわれる原因となりますので避けてください。なお、スーパーで購入した解凍肉を再冷凍することはおすすめできません。一度解凍した豚肉は水分が抜けやすい状態になっており、再冷凍することで豚肉の旨みがさらに抜けて食感もパサパサになってしまいます。解凍肉は冷凍保存せず、なるべく早く使い切るのが好ましいです。

野菜の冷凍と解凍方法

野菜は使いやすい形にカットしてから、ジップ付きの保存袋に入れて冷凍するのが基本です。玉ねぎ、にんじん、大根などは冷凍することで細胞壁が壊れ、火が通りやすくなります。特に煮込み料理を作る際は、生の状態から加熱調理するよりも火が通りやすく、時短になり便利です。葉物野菜やレンコンなどは、軽くゆがいてから冷凍するのがおすすめ。酵素の働きを止めることができ、きれいな色を保てます。また、じゃがいもはそのまま冷凍すると水分が抜けてシワシワになり、味や食感が損なわれてしまいます。茹でてマッシュポテト状にしたり、ポテトサラダにして冷凍したりするのがおすすめです。冷凍した野菜をおいしく食べるには、2週間〜1カ月を目安に使い切るといいでしょう。野菜を解凍する際には、壊れた細胞から水分や栄養素が抜け出していくため、冷凍状態のまま加熱調理を行い、煮物や汁物にすることをおすすめします。冷凍した野菜を茹でなおすと、ゆで汁に旨みや栄養素が流れ出てしまい、味も食感も落ちてしまいます。そうしたことから、トマトやレタスなど生のまま食べる野菜は冷凍に不向きな傾向にありますが、煮込み料理やスープなどの加熱調理することで、栄養素を逃さず汁ごとおいしく食べられます。

自作の下味冷凍(ミールキット)レシピに挑戦しよう!

忙しい毎日の食事作りを少しでも楽にするため、休日にまとめて作り置きをする方も多いのではないでしょうか。そんな方にぜひおすすめしたいのが、自宅で手軽に作れる下味冷凍レシピです。下味をつけて冷凍しておくことで調理の時短につながるのはもちろん、豚肉が柔らかくなるメリットも。今回は、ハイライフオリジナルの下味冷凍レシピを3点ご紹介します。

ポークプルコギ

<材料>

豚薄切り肉200g

玉ねぎ(薄切り)1/4個

にんじん(千切り)1/4本

にら(3cmにカット)1/3束

プルコギのたれ

しょうゆ大さじ1

酒大さじ1

コチュジャン大さじ1

砂糖大さじ1/2

おろしにんにく大さじ1/2

ごま油大さじ1/2

白ゴマ大さじ1/2

冷凍用ジップ付き袋中1枚

<作り方>

1.袋にたれの材料を全て入れ、よく混ぜる。豚肉を加えてもみ込む

2.カット済みの野菜を上から入れていく

3.空気を抜くようにしながら袋が平らな状態でジップを閉じ、冷凍庫で保存する

■チャプチェ

<材料>

豚ロース肉(生姜焼き用)150g

春雨50g

にんじん(千切り)1/4本

玉ねぎ(薄切り)1/4個

パプリカ(薄切り)1/2個

小松菜(3cm長さ)2株

しいたけ(薄切り)2個

調味料

しょうゆ大さじ2.5

砂糖大さじ1

酒大さじ2

おろしにんにく小さじ1

おろししょうが小さじ1

白ごま大さじ1/2

片栗粉小さじ1

冷凍用ジップ付き袋中1枚

<作り方>

1.春雨をお湯で茹でて戻す。豚肉を細切りにし、野菜類を切って準備する

2.袋に調味料を全て加えて混ぜる。豚肉を加えてもみ込む

3.野菜類と春雨を上から重ねて入れる

4.空気を抜くようにしながら袋が平らな状態でジップを閉じ、冷凍庫で保存する

■豚こまピーマン炒め

<材料>

豚こま肉200g

ピーマン4個

しょうが(千切り)1片分

調味料めんつゆ(2倍濃縮)大さじ1

鶏がらスープ(顆粒)大さじ1/2

酒大さじ1/2

ごま油大さじ1/2

冷凍用ジップ付き袋中1枚

<作り方>

1.袋に調味料を全て加えて混ぜる。豚こま肉を入れてもみ込む

2.ピーマンを5mm程の千切りにして生姜と一緒に袋に入れる

3.空気を抜くようにしながら袋が平らな状態でジップを閉じ、冷凍庫で保存する

下味冷凍(自作ミールキット)を加熱調理する時のコツ(全メニュー共通)

・しっかりと解凍してから調理する

・フライパンを強火で熱し油を少量ひいて野菜から加えて炒め、野菜が熱くなったら肉を加えて強火のまま炒める(全ての材料を一度に炒めると、フライパンの温度が下がりすぎるため)

・水分が含まれるため、フライパンに食材を入れる際にはねる場合があるので注意する

・使用している野菜によって水分が多めに出る場合があるが、ソースとしてとろみがつくまで炒め煮にする

スーパーで購入した肉や野菜などの食材を「冷凍」活用することは、家計の節約のみならず、調理の時短につながったり、肉が柔らかくなったりとメリットづくし!ぜひ今日から取り入れてみてはいかがでしょうか。

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