TIPS調理テクニック

焼き肉だけじゃない!キャンプやバーベキューでも大活躍!アウトドアで楽しむ豚肉の魅力

年間を通じて人気の高いアウトドアレジャーの代表格といえば、キャンプやバーベキュー。初心者でも手軽に楽しめるバーベキュー場やグランピング施設が年々増加し、話題となっています。今回は「アウトドアで楽しむ豚肉」をテーマに、キャンプやバーベキューで豚肉を調理する際のポイントやおすすめのレシピ、楽しみ方について紹介します。厚切りポークステーキやローストポーク、プルドポークなどのレシピも、シェフのアイデアを生かした「アウトドアで調理するコツ」を紹介しているので、ぜひご覧ください!

アウトドアで楽しむ豚肉の醍醐味とは?

炭火の網の上で焼いたかたまり肉を豪快にかぶりつく、というのはアウトドアならではの楽しみ方といえるのではないでしょうか。野外で調理することで、油のはねや煙を気にする必要がない上に、そもそも自宅のフライパンや鍋で調理する豚肉と、網の上で炭火焼きする豚肉とでは味の感じ方が異なります。炭火焼きの方が特に脂の旨みを感じやすく、炭で焦げた風味もおいしさを引き立ててくれるのです。

ほかの肉とは違い、多種多様な楽しみ方ができるのも豚肉の大きな魅力です。肩ロースなら厚切りのポークステーキ、ロースならローストポーク、バラ肉ならベーコン、豚肉加工品のソーセージなど、いろんな部位を飽きずに堪能できます。アウトドアで楽しむ豚肉の部位として特におすすめなのが、スペアリブやバックリブなどの骨付き肉。調理しづらいと思われがちな骨付き肉ですが、網の上での炭火焼きであれば、初心者でも簡単においしく調理可能です。フライパンで調理するよりも香ばしさが増し、炭の風味も加わってアウトドアならではの味わいを楽しむことができます。

前日の下準備のコツ

テントを設置したり、火を起こしたりと、何かとやることが多いキャンプやバーベキュー。前日にお肉の下準備を済ませておくことで、当日の作業量が減り、スムーズに食材を焼き始めることができます。

焼く大きさにカットしておく

かたまり肉や骨付き肉を持参する場合、事前に焼く大きさにカットしておきましょう。バックリブは表面に膜がついている場合がありますので、事前に取り除いておきます。また、かたまり肉をカットしてポークステーキにする場合は、筋切りも済ませておくとスムーズです。

タレに漬け込む

スーパーで買ってきた肉をそのまま網の上で焼くだけではタレが肉に絡みにくく、味が薄く感じられる場合があります。みそに漬け込んでおくのもおすすめです。前日の夜に漬け込んでおくことで味が染み込み、おいしく仕上がります。肉を塩こしょうで楽しみたい場合は、酒と塩を揉み込んでおくといいでしょう。前日から漬け込んでおくことで、安い肉であっても肉質がやわらかくなり、肉が痛むのを防ぐ効果も期待できます。

前日に下準備ができない方、当日に食材の買い出しをする方は、ハーブ塩やスパイスなどを用意しましょう。肉の両面に薄く振りかけ、下味をつけて焼くことで、お肉にタレが絡みやすくなります。

煮込み料理の材料は一つにまとめる

プルドポークやカレーなどの煮込み料理を作る場合は、前日の夜に野菜を切り、豚肉と一緒にジップ袋やポリ袋に入れて持参することをおすすめします。現地に着いたら鍋に移し替え、水を加えて煮込むだけなので簡単!下ごしらえの時間や手間を省き、ゴミも少なくなります。プラスチック製のタッパーに入れていくのも良いですが、ポリ袋やジップ袋の方が洗い物を少なくできます。

アウトドアで豚肉を調理する際のポイント

見栄えを良くするコツ

バラ肉など脂の多い豚肉を炭の真上に置くと、脂が滴り落ちてお肉が真っ黒になってしまう場合があります。脂が炭に垂れ落ちても、火や煙が立たない位置に少しずらして焼くようにしましょう。タレ漬けのお肉は、表面だけが焦げ、中心部は生焼けという失敗も多いため、アルミホイルに包んで蒸し焼きにすることで、見栄えも良く焼き上がります。

また、半分にカットしたソーセージと野菜(とうもろこし、なすなど)を一緒に串に刺すことで、彩りが出て見栄え良く仕上がります。その際、各食材の火の通り具合を考えて大きさを調整しましょう。具体的には、固い食材、火が通るのに時間がかかる食材は小さく、火の通りやすい食材は大きくカットして、トータルで同じ時間で焼けるように考えることが大切です。それが少し難しいと感じる方は、とうもろこしをあらかじめ茹でておくなど、そのままでも食べられる状態にして焼く、という手もあります。

生焼けを防ぐコツ

普段自宅で調理する際と同様に、冷えたままのかたまり肉や厚切り肉は中心部に熱が入りにくく、中だけ生焼けになる場合があります。キャンプ場・バーベキュー場に着いたら、あらかじめ冷蔵庫やクーラーボックスから出して常温に戻しておきましょう。

また、炭火の上で長時間加熱すると火が入りすぎて肉が固くなり、パサパサとした食感になりかねません。最初に強火で肉の表面を焼き固めて肉汁を逃さないように壁を作り、その後、炭火から少し離して弱火でじっくりと火を通すのがポイントです。

豚肉をよりおいしく仕上げるコツ

肉が焼き上がった後、余裕があれば網の脇で5分ほど休ませると肉のジューシーさがアップします。焼き終わった肉をお皿に移し、テーブルなどに置いておく方も多いかもしれませんが、それではせっかくおいしく仕上がった肉が冷めて固くなってしまいます。すぐに食べない肉は、熱を少し感じる網の脇によけて置いておくことで、おいしさをキープできます。

骨付き肉の場合

骨付きの肉は骨周りや肉が反っている部分は火が入りにくいため、生焼けを心配される方も多いかもしれません。骨と身の間に包丁で切れ込みを入れ、十分に加熱することを意識してください。赤身が残っていたり、血が滲んでいたりするのは加熱が足りない目印です。骨付き肉の場合は、少し焦げ目がつき、焼きすぎたかな?と感じる程度の方がよりジューシーに仕上がり、香ばしさも増します。

煮込み調理の場合

網の上に鍋を置いて調理する場合、一度沸騰したら、鍋の位置を脇にずらして弱火〜中火程度に保つようにしましょう。カレーなど濃度のある煮込み料理は焦げやすいため、時々蓋を開けて状態をチェックすることも大切です。それでも心配という方は、(煮込み料理だけは)ガスコンロを使うという手もあります。網の上に鍋を置いて調理するよりも火力が安定するため、アウトドア初心者には安心な方法といえます。

アウトドア調理時におすすめの便利アイテム

アルミホイル

炭火の火力が強すぎて表面だけが焦げてしまった場合には、アルミホイルで包んで蒸し焼きにすることで、中心部にもしっかり火が入りジューシーに仕上がります。焼き終わった肉をアルミホイルで包み、網の脇に置いておくことで、肉の乾燥を防ぎ、保温することも可能です。

ジップ袋・ポリ袋

お肉とタレを入れて揉んでなじませることで、手を汚さずにタレ漬け肉を準備できます。タッパーに比べてかさばらず、そのままゴミとして捨てられる便利アイテムです。

温度計

ガス火とは異なり、火力の調整が難しいキャンプやバーベキューでの炭火調理。鉄串や竹串を使って温度を確認する方法もありますが、初心者ならば、温度計を準備して肉の中心温度を計ることをおすすめします。

シリコン製のハケ

網の上で豚肉を焼く場合、炭の放射熱の影響でお肉の表面が乾きやすくなるため、ヒレやモモなど脂の少ない肉には、ハケを使ってサラダ油やオリーブオイルを塗ることをおすすめします。炭火でローストポークを作る際も同様です。一般的なハケは毛が抜けやすく、火の近くで使うと焦げる可能性もあるため、耐熱温度の高いシリコン製のハケを選ぶのがおすすめです。

火吹き筒・火吹き棒

火起こしにはもちろん、調理中に少し火力を強めたい時、肉に少し焦げ目をつけたい時にも役立ちます。

ハーブ塩、スパイスなどのシーズニング

シーズニング(粉末タイプの調味料)は液体よりも軽くこぼれにくいため、キャンプやバーベキューなどのアウトドアで重宝します。液体のタレよりも量があるため、たくさんの豚肉にしっかりと味をつけられるのも利点です。

アウトドアにおすすめの豚肉レシピ

最後に、キャンプやバーベキューなどのアウトドアにおすすめしたいレシピを3点ご紹介します。

厚切りポークステーキ

炭火で焼いたポークステーキは、普段自宅で調理するものよりも香ばしさが増し、脂の旨みもしっかりと感じられるのが魅力です。アルミホイルで包み蒸し焼きにしてしまうと、中まで火が通りやすくなる一方で、ステーキらしさが損なわれてしまいます。両面をカリッと香ばしく焼いた後、弱火でじっくりと火を通すようにしましょう。

<材料>
厚切りポーク 200g
塩 小さじ1/2(2g) ※塩は肉の重量に対して1〜1.3%が適量
こしょう 適量
オリーブオイル 適量

<作り方>
1. クーラーボックスから肉を取り出し、肉全体に塩、こしょうを振ってからオリーブオイルを塗り、常温で10分程度置く。

2. 両面を強火で香ばしく焼き、肉汁を閉じ込めた後、炭火が直接当たらない脇側に肉を移動させて、弱火でじっくり焼く。

※中まできちんと火が通っているか心配な場合は、温度計で確認する。

温度計がない場合は、①見た目(肉汁が透明だと焼きすぎ。ほんのりピンク色が理想) ②弾力 ③鉄串、竹串を刺す(串を下唇や手に当てて、少し熱いと感じるくらいならOK)といった方法で確認すると良い。

■アウトドアでのコツ

・網に置く位置を工夫することでよりジューシーに!

・温度計、もしくは鉄串や竹串を使ってチェックすることで最高の焼き加減に!

ローストポーク

オーブンで作るのとは一味違う、炭の風味が漂うアウトドアならではのローストポークをぜひお試しください。時間や予算に余裕があれば、燻製器具を使ってかたまり肉をスモークしてから作るのもおすすめです。

<材料>
豚肩ロースブロック 500g
塩(またはハーブ塩)10g
オリーブオイル 適量

<作り方>
1. 肉全体に塩(またはハーブ塩)、オリーブオイルを擦り込み、30分~1時間常温に置く。

2. 豚の外側を強火で香ばしく焼き固めて壁を作った後、肉を転がしながら四方向を弱火でじっくり焼く。時間は500gに対して20分を目安に焼く。

※火の通りが心配であれば、カットして断面の肉色を確認する。

■アウトドアでのコツ

・肉を常温で置くことで、火の通りが均一に!

・周りを強火でしっかり焼き固めることでジューシーなできあがりに!

プルドポーク

野菜と豚肉を火にかけ、放っておくだけで完成する簡単レシピなので、アウトドアでも大活躍します。キャンプ場・バーベキュー場に着いたら、最初に準備をして火にかけておくだけでOK!焼きそばの具にしたり、カレーにリメイクしたりといろんな食べ方にアレンジできます。当日食べきれなかった場合は、パンに挟んで翌日に朝ご飯にするにもおすすめ。もしくは前日から翌朝の朝ご飯を仕込んでおくのもいいですね。朝ごはんをぜいたくに楽しむのもキャンプの醍醐味です。

カナダ家庭料理の定番!プルドポーク

<材料>
豚かたまり肉 500g
※おすすめの部位は「肩ロース(ほどよい脂でジューシー)」または「ウデ(赤身多めであっさり)」
※脂身部分は取り除いておく
たまねぎ 1/2個
にんじん 1/2本
セロリ 1/3本 葉をいれてもOK
塩 小さじ1
こしょう ひとつまみ
水 600ml

<作り方>
1.たまねぎ、にんじん、セロリを5mm~1cm程度にスライスし、豚かたまり肉に塩こしょうを振る。

2.鍋に野菜を敷き、その上に①の豚かたまり肉をのせ、水を加えて火にかける。沸騰したら蓋をして、弱火で煮る。

※肉500gに対して、水600ml、加熱時間は90分が目安。常にコトコト沸いた状態をキープする。

※蓋をきちんと閉め、途中でひっくり返したり混ぜたりせずほったらかしでOK。ただし蒸発が多い場合は、焦げ付かないように、なくなった分の水を追加する。

3.ほろほろと崩れる位に柔らかくなったら、フォークを2本使って豚かたまり肉をお好みの太さにほぐして盛り付ける。

※細さは大体5mm位がおすすめ。肉感が欲しい場合は太めでもOK。

■アウトドアでのコツ

・野菜を前日にカットしておくことで、鍋に入れて火にかけるだけの簡単調理に!

・アレンジ料理いろいろ!翌日の朝ごはんがぜいたくに!

キャンプやバーベキューといったアウトドアにおいても、さまざまな楽しみ方ができる魅力満載の豚肉。アウトドア初心者であっても、「生焼けを防ぐために、強火で表面を焼き固めて壁を作り、炭火から少し遠ざけてゆっくり弱火で火を通す」「見栄えを良くするために、炭の真上に肉を置かない」といった基本的なポイントを押さえておけばおいしく調理できます。ぜひこの記事を参考に、アウトドアで楽しむ豚肉の魅力を体感してみてください。

記事監修:篠嵜 司

ハイライフポークのブランドレストラン「代官山ハイライフポークテーブル」メインシェフ。調理師学校を卒業後、横浜のイタリア料理点に就職。その後渋谷区代々木八幡のLIFEの姉妹店、LIFE sonのオープンと同時にシェフに。その後2016年より代官山ハイライフポークテーブルメインシェフに就任。

「日本で一番豚肉を扱うシェフ」として、さまざまな豚肉メニューを開発、提供。レシピや料理の豆知識に関する情報発信も積極的に行っている。


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